ここでは、基本的なオカヤドカリの世話の仕方を説明します。さらに詳しい飼い方や飼育上の重要ポイントは、他のページで「豆知識」等として掲載しています。各ページも是非読んでくださいね。
◆毎日の世話
1.水やり
オカヤドカリの飲み水は水道水でかまいません。ただし、湯冷ましや、一日おいた水をやるなど、カルキ抜きしたものを与えてやりましょう。オカヤドカリはエラ呼吸しているため、カルキがエラに付着すると健康を損ねてしまうためです。場合によってはエラに潰瘍ができ死んでしまうこともあるそうです。ミネラルウォーターや浄水器を使用してもいいでしょう。
水入れは、底の浅い入れ物を用意します。オカヤドカリは泳げないので、水が深いと溺死する恐れがあります。陸上生活だから大量の水は苦手なんですね。底の浅い小皿や、ペットボトルのキャップ、ジャムの空き瓶の蓋などを利用してもよいでしょう。
水は飲むほかに、水浴びしたり、貝殻の中に自分で貯めたりもしますから、いつも新鮮な水を欠かさないようにしてやりましょう。
飲み水と水浴び用の水については、さらに「 飼育用品(餌・水・栄養補給)」のページも参考にしてください。
2.エサの交換
オカヤドカリは「海辺の掃除屋さん」といわれるだけあって、ごはん、パン、肉、野菜、果物など、だいたいのものはなんでも食べるそうです。個体によって好みが違ったり、毎日同じ餌だと飽きて食べなくなるわがままな面もあるので、いろいろな食べ物を試してみましょう。
ただし、防虫効果や殺虫効果のある植物などには気をつけて。オカヤドカリは昆虫と似た仕組みの体なので、虫によくない食べ物はオカヤドカリにとっても危険です。蚊取り線香や殺虫剤なども、オカヤドカリがいる部屋では使わないでくださいね。
オカヤドカリは夜行性なので、餌は夜、あなたが寝る前にやるといいでしょう。食べ残しは毎日拾って捨ててやってくださいね。
餌については、さらに「 飼育用品(餌入れ・水入れ)」のページも参考にしてください。
3.フンの掃除
食べたものの色をした糸くずのようなフンをします。見つけたらこまめにピンセットなどで取り除いてやりましょう。でないと雑菌がわいてオカヤドカリが病気になるかもしれないですし、臭いのもとになります。
いちいちピンセットで取り除くのが面倒な人は、予備の砂を用意しておいて、汚れた部分だけ交換するといいでしょう。スコップ等で汚れた砂をすくうときは、砂の中に潜っているオカヤドカリを傷つけないよう気をつけてください。脱皮中の固体が潜っているときは、その部分にはさわらないように。ちょっとした刺激で、脱皮に失敗することがあります。
水槽内をいつも清潔にしておけば、オカヤドカリは無臭に近いので水槽が臭うことはありません。
4.温度と湿度のチェック
オカヤドカリは寒さに弱いので、15℃を下回るような場合には、部屋の暖房をつけたり、小動物用のヒーターを利用するなどして暖めてあげましょう。10℃以下になると死んでしまうことがあります。高温になりすぎるのも、よくありません。だいたい25℃前後がオカヤドカリにとって快適な温度のようです。冬場は20℃以上、夏場は30℃以下になるよう、温度調整をしてやってください。
乾燥にも弱く、最適な湿度は50〜70%だそうです。乾燥していると感じたときには、霧吹きをしてあげましょう。ただし、やりすぎには気をつけて。水分が多すぎると砂に雑菌が発生してしまったり、砂の中で溺死してしまう恐れがあります。高湿度にも弱いので、梅雨時など湿気がこもりやすい時期は、水槽内の湿度が80%を超えないよう気をつけてやりましょう。
ときたま勘違いされている方がいらっしゃるようですが、オカヤドカリに日光浴は必要ありません。直射日光を当てると、人が思っている以上に水槽や貝殻内の温度が上がり、死んでしまうことがあります。それでも日光浴させたい場合は、オカヤドカリから目をはなさず、十分な監視のもと行ってください。
オカヤドカリの冬越し対策など、温度と湿度の調整の仕方については「 飼育用品(保温・保湿)」のページも参考にしてください。
◆ときどきの世話
1.水浴び
浅いお皿などに水を入れ、水浴びをさせてやりましょう。水中は苦手なオカヤドカリですが、水浴びは大好きだそうです。殻の中に水を溜めておく習性もあるようです。
水浴び用の水もカルキ抜きはしてやってください。海水や塩水、ストレスコート入りの水なら、なお良いようです。ミネラル分が豊富なので、丈夫な甲殻作りに役に立つようです。ミネラル補給に努めてやれば、脱皮の成功率もあがるそうです。
水、海水、塩水などの場合は、水浴び場を作っておいてやればオカヤドカリが自分で必要なときに水浴びします。浅めの容器に入れて、水槽内に設置しておくといいでしょう。ストレスコートは飲み水としては使用しない方がいいようなので、人の手でときどきストレスコート浴させてやりましょう。
海水浴やストレスコート浴については、「 飼育用品(餌・水・栄養補給)」のページも参考にしてください。
2.砂の洗浄
2週間〜1カ月に一度程度、水槽の砂を洗ってやりましょう。
まずバケツに入れて水を注いでかき混ぜ、拾い残していたフンや食べ残しなどの汚れを浮かせて洗い流します。次に砂をザル移し上から水をかけて汚れを洗い流したら、鍋に水切りした砂を入れ80℃以上の熱湯を注いで外部から混入していた害虫・菌などを熱湯消毒します。あとは水切りして天日干しし、乾けば完了です。
アメリカでは、手っ取り早く殺菌乾燥させるために、水洗いしたあと砂をフライパンで炒るんだそうです。この方法を使うなら、念のために調理用のフライパンとは別に、砂用のフライパンを用意した方がいいでしょう。
砂の入れ替え作業は、オカヤドカリが逃げないように他の容器などに移してからやってくださいね。
砂については「 テラリウム用品(砂・石・シェルター)」のページも参考にしてください。
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